6月21日。月末に日本速読解協会主催のオンライン講演があって、1時間ほど英語の勉強法についてお話をさせていただくことになっている。日曜日の午前中にオンラインで私の話を聞きたいという人がどれぐらいいらっしゃるのか怪しいところだけれども、演題は「英語を得意科目にする学習法」となっている。
対象は小学生中学生高校生と保護者ということである。それにしても今の小学生は大変だなと心から思う。私が小学生のときなどは近所のグラウンドで野球をするか、なけなしのカネをはたいて買ってきた小説か漫画の本を読むか、もしくは自転車に乗って耳成山や香久山で虫取りをするかのいずれかであった。勉強などした覚えがない。
小学生にも英語を習わせろと言ったのは下村文部科学大臣である。書くまでもなく安倍晋三首相のときであり、鳥飼先生や江川先生のような英語畑の心ある方々は猛反対をしたが、下村大臣が塾業界のドンであるから、要するに経済政策に小学生が巻き込まれたということである。
塾の中には良心的な、つまりしっかりと教えておられる方々も多数おられるが、残念ながらペラペラの薄い英語力しか身につけられないような塾もある。英検に合格させろと親はのたまう。英検など英語が苦手でも合格できるということをご存じない親に限ってウルさいのである。そしてそういう薄い指導をする塾でも英検程度であれば合格できるので、それなりに勉強しているのではないかと親は思い込む。
が、本人が中学や高校に入ればわかるが、たかだか英検準2級や2級程度は初心者で、その程度ではあんなにも簡単な共通テストでさえ高得点を取ることは不可能なのである。しかし、本人は言うまでもなく保護者でさえも、どの塾が良くてどの塾がやばいかなどわかるはずもなく、したがって膨大なる時間と莫大なるカネを恐ろしく無駄に使うことになる。
外国語をある程度のレベルにまで上げようと思うとそう簡単ではないことぐらい心ある方であればおわかりいただけるはずで、「ミスしてもいいから喋ってごらん」などと猫なで声で喋る講師や教師が如何にヤバい奴かは即座に見抜かねばならない。こちとら血の滲む思いで外国語をやっつけたのである。そうそう簡単にいくわけがない。「英語を得意にする学習法」の詳細はこちらであるが、「ミスしてもいいから派」の方々が参加するとガッカリすることになると思われる。
木村達哉
追記
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