6月23日。昨日は福島に移動し、中学生高校生と保護者に講演をした。アビリティという塾主催で、200人もの方々がご来場くださった。奇しくも会場は、福島でNPO活動を始めた際に初めて「夢をかなえる勉強法」という無料勉強会で使用した県立文化センターで、なんとも感慨深いものを感じた。
阪神ファンにとってのアレは優勝を意味するらしいが、東北のアレは東日本大震災である。アレから13年が経ち、街も人もかなり変わったなと感じる。当時、前川直哉先生が立ち上げた無料勉強会に参加した生徒たちは、後方に陣取る先生方や保護者たちも、不安でいっぱいであった。そして自分たちこそ故郷復興のための人材となるのだと向学心に燃える生徒たちが多かった。アンケート用紙にその気持ちをぶつけていた。
復興は進まず、生徒たちのメンタリティーにも変化が見られる。復興のために努力するぞと考える子どもはレアで、東京や大阪と同様に大学に入るためにと考える。それが良いことかどうかは私にはわからない。
わからないけれども、やはり申し上げたのは、故郷を救うために、人々の力になるために、勉強し続けなければならないということである。大学に入るためだけに勉強するのではなく、カネを稼ぐ人間になるためだけに勉強するのではなく、社会においてこの人こそなくてはならない人材に育つために、そして人々のために、勉強するという気持ちを持っていてほしいと。
参加した中学生と高校生たちはなるほどそういう考え方もあるのかと頷いていた。福島で講演をするのはもう何十回目だろうと思いながら、そしていつまで「復興に向けて」と言い続けねばならないのだろうと思いながら、駅前のホテルに戻った。子どもたちの力になったのであれば幸甚である。
木村達哉
追記
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