6月28日。東京の目黒日本大学中学校高等学校をお借りして、英語スピーキングの指導法について話すことになった。東京圏の先生方がすでに多数お申込みとのことである。日は7月14日。詳細はメルマガに書いたとおりである。それに向けてそろそろと準備運動をしているが、要は私が毎日やっているトレーニングを紹介すればいいのであろう。
日本の義務教育レベルはかなり高いので、まともに中学校を出た人であれば英語を話すことができる。「おはよう」だの「さようなら」だのいった定型表現を多くの国民が知っているし、自己紹介も英語でできる。そのわりに英語が話せないんですとおっしゃる人が多いし、海外でI cannot speak English.と発言して周囲にきょとんとされる日本人もかなりおられるらしい。
You’re speaking English.と言われて、オンリーアリトルとまたまた英語で返事をする。こうなると喜劇なのだが、本人は必死である。私も講演で、皆さんは英語が話せますよねと言うと多くが首を横に振る。話せないんですか?では「私の名前はこれこれです」と英語で言ってくださいと言うと、たいていはI amかMy nameで始まる英語ですらすらお話しになる。
拙著『3ステップスピーキングドリル』では詳細に書いたが、要するに英語を話すためには英語を話す機会を持つことが一番大事である。If you want to speak English, speak English.である。英語を話す機会を持つためには独り言が一番良い。失敗して恥をかくこともない。誰かに見られながら行うようなものではないトレーニングである。学校でやらないなら自分でやればいいだけである。
そして英語が話せる範囲を増やそうとすればいい。元Googleの村上さんが著書で書いておられることだが、自分のことを100個英語で話そうとしてみればいい。自分の生活、家族、故郷、興味、学校、会社、悩み、喜び、目標…そのうち話すことがなくなるので、「自分の範囲」を広げるのである。奥さんの趣味、息子や娘の学校、父や母の人生、祖父や祖母の経験…それも話すことがなくなるので、さらに範囲を広げる。地域の問題、地域の政治家、地域の子どもたち、地域の特色…また広げる。さらに広げる…そうすると、日本や世界について話すことになる。あっという間に100個話せるようになる。
必要なのは辞書であり、ノートであるが、7月14日はより具体的な方法についてお話をさせていただこう。いずれにしても我々日本人はかなり英語が話せる。スピーキングはリスニングよりずいぶん楽である。胸を張って、その話せる範囲を広げていけばいいんだなと考えてもらえれば良い機会となるのではないか。
木村達哉
追記
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