7月14日。東京で英語スピーキング指導の勉強会が開催された。聖光学院中学校高等学校の佐藤先生や高木先生が継続されているチームキムタツ関東支部の勉強会である。もう立ち上げてから20年近く経つ。今回も60名の先生方がお申込みになり、当日欠席がゼロというのは素晴らしい。懇親会を含め、おおいに盛り上がった。
東京では英語スピーキングテストが、大阪では英検が、それぞれ高校入試の一部となった。大阪の場合、英検2級を取得していれば英語の点数を8割プレゼントということだから、府と英検協会=旺文社との癒着である。ま、それはそれとして、スピーキングテストを課したら英語力が上がったか。書くまでもなく、さにあらず。
あの程度のスピーキングテストとも言えないようなテストを課したところで外国語を話せるようになるわけもなく、ましてや英語学習熱が高くなるわけもない。不完全なるシステムを決定した都と府にブレーンはいなかったのかと言いたいところだが、私には何の権限もない。外国語畑の隅っこから、またアホなことをやっているなぁと呆れて見ているのみである。
外国語を話すためには2つの知識が要る。言語材料(単語やらルールやら)の知識が1つ。そして話すトピックの知識である。前者の勉強はそれなりにやっている人も多いのだけれども、海外に行って聞かれるのは日本のことである。私がロンドンで聞かれたのは「日本ってどうして鎖国なんてしていたのか」「日本人って無宗教の人が多いらしいが何故だ」「神戸ってどこにあるの?え、大阪の隣?大阪ってなに?」というようなものであった。四苦八苦しながら答えたのは言うまでもない。
言語材料だけでなく、コンテンツの勉強もしっかりしておかないと英語を(あるいは英語で)話すことなどできるわけがないと、勉強会では申し上げた。最初は「今までの人生で一番インプレッシブだった経験は何か」とか「お勧めの動画について教えて」とかいったことでいいと思うが、トランスクリプト(要するに英語の文章ね)作成能力が上がれば日本について、地域について、世界について、いろんなことについて話せるように練習したい。
聖光学院中学校高等学校の佐藤先生と高木先生、都立中学校の石崎先生、目黒日本大学中学校高等学校の先生方にはお世話になった。また、遠方からおいでくださった先生方、帰りに品川駅まで送ってくださった春日部共栄中学校高等学校のA先生には心から感謝申し上げます。またお会いするのを楽しみにしています。それまでに今以上に英語を(僕はドイツ語を)話せるように練習しておきましょう。
木村達哉
追記
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