7月28日。ロングセミナー資料が完成し、佐藤先生(聖光学院中学校高等学校)と丸山先生(ラ・サール中学校高等学校)に送った。追加の資料があったら加えてねとLINEなりMessengerなりで伝えた。参加される先生方は楽しみにしておいていただきたい。
すでにたくさんのご質問を頂戴している。どうしても我々は三人とも私学の教員(私は元教員)なので、たとえば観点別評価についての質問に気の利いた回答をするのは難しい。文科省の言うとおりにそういう評価をしている私立校もあるだろうが、ほとんどの学校は従来どおりに5段階か10段階で教科なり科目なりごとに数字を出しているだけではないか。
先日、東京で開催した勉強会で先生方が思ったとおりに観点別評価をすると文句を言われるとのことだった。誰に文句を言われるのかと聞くと、教務の先生からダメ出しされると。教務の先生はなぜダメ出しするのかと問うと、文科省なり教育委員会からダメ出しされるからだろうとのことであった。それが本当なら、文科省は意味のない評価方法を改めたほうがよろしい。
平成29年の改定で「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点から評価するよう学習指導要領が改定された。当時、私は灘校教員だったが、教務からも校長からもいっさい指示はなく、従来どおりに評価することになった。英語であれば「英語Ⅰ」と「英語Ⅱ」に10段階で数字を付けるだけの評価である。
公立の先生方に伺うと「知識・技能」と「思考その他」が低くても「主体的な態度」が良い生徒もいるのに、それらを順にCCAとつけるとダメなのだそうだ。それぞれの割合まで凡そ決まっているそうで、仮に生徒全員が「主体的態度」が優れていてもそう評価すると教務から突き返されると。したがって、機械的にBBAなりABAなりと付けているとのことであった。
馬鹿馬鹿しいにもほどがある。教育の低下も甚だしい。そんなことだから教員の志願者が激減するのだ。教員が主体的に評価できないのに、なにが「主体的な態度」だろう。本当にナンセンス極まりない。文科省が愚かなのか、それとも自民党政治家の文科畑の人間が馬鹿なのか、あるいはその両方なのかはわからないが、教員イジメここに極まれりである。
学校の主役は生徒と教員である。戦後、国が教育に口出しするとろくなことはないということでそれぞれの県に教育委員会が作られてたのに、今ではすっかり戦前と同じように教科書検定という名を借りた検閲が行われているし、教員がお国に口出しすることができなくなっている。政治家も官僚もなんのために仕事をしているのだろう。
ロングセミナーでは先生方からの疑問や相談に腹を割ってお話しさせていただこう。再度書くが、ご参加くださる先生方は楽しみにしておいていただきたい(ロングセミナーの詳細はこちら)。
木村達哉
追記
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