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株価暴落も想定内

2024.08.01(木) 12:00

8月1日。株価が暴落し、日興証券に預けてある資産がかなり減った。とはいっても想定内。3年間右肩上がりだったのだから、そろそろ神様がいい気になるなよと言い始めてもおかしくない。それに、実際に預けたお金以上の額面が証券会社のアプリにあるマイページに記されている。

そもそもカネなんて死ぬまで持っていても意味がない。適当なところで全額引き出して、家人に遺す分を除いて使い果たしてやろうと思っている。すでに子どもたちは独立し、余計なカネはかからない。車を買うこともないし、雨漏りや家電の修繕費程度の出費しかない。今後ものすごい額のカネが財布から出ていくとすれば、その原因はひとつしかない。健康破綻である。

子どもの頃から体が弱く、高1だったか高2だったかのときに70日ほど欠席した。ぜん息の発作が出れば数日は欠席するというパターンだったので、どうせ長生きできないだろうなと思って生きてきた。死ぬのは怖かった。怖くて怖くてたまらなかった。生まれる前に戻るだけだと言う人がいるが、とんでもない。生まれる前ならそのうち生まれてくるじゃないか。死んだらそれ以後は何億年、何兆年と土の中かどこかにいて無意識で過ごすのである。それは避けたい。

死ぬのは避けたいが、どうしようもなさそうだ。だからせめて生きている間ぐらいは充実して過ごしたい。他人の尺度で生きたくない。自分がこう生きたいという人生を生きたい。笑顔でいたい。しんどい顔をしていたくない。周囲の人たちにも幸せになってほしい。笑っていてほしい。笑顔のない場所からは1秒でも早く離れたい。中学生の頃からずっとこの思いだけは変わらないでいる。

二十歳まで生きられるかなとやぶ医者に言われた少年だったが、還暦まではなんとか生きてきた。やくざにスカウトされたり車に跳ね飛ばされたり吉野川で溺れたりしたことはあったが、60年も生きてきたというだけで大したものである。残りがどれぐらいかはわからないけれども、今までどおり、他人の尺度はいっさい無視して自由に生きよう。努力しないとカネは入ってこないが、最低限の努力ぐらいはできる。それも今までどおり。

株価が暴落し、日興証券の担当者から電話を賜った。大慌てしている人たちに電話をしてあげてください、慌てない慌てない、ひと休みひと休みですと申し上げた。

木村達哉

追記
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