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三省堂の編集者あり、遠方より来る

2024.08.03(土) 09:00

8月3日。三省堂の編集者T氏が拙宅においでくださり、10月に出版予定の『まるまる反復英文法総復習(基礎)』とそれ以後の出版予定について話した。印税交渉は不調に終わり(笑)先方の言い値となったが、本を出す機会を与えてもらえるのはありがたいことである。何冊かは今後も三省堂から出せそうである。

それとは別に書いている本もあるので、生きている間に著作が100作品を超えるのは間違いなさそうだ。著作が多ければ多いほど良いというものではないけれども、打席が多くないとヒットは打てない。印税で生きていける物書きは絶滅危惧種になってしまった日本だが、何よりせっかく作った作品が消えることもありうるわけで、その点でも数多く出したい。

ちなみに私が創った本の中で、すでに姿を消したものも何点かある。さらっと書いてはいるが無念極まりない。特にマーク・ピーターセン先生との共著であった旺文社から出した本は残してほしかった。多くの場合、交渉する余地もなく、出版社が駄目と言えば駄目なので、物書きなど風に揺れる木の葉のようなものである。

本を出してみたいと思っている人は多いし、私もけっこうな数の方々から相談を受ける。いつも申し上げることはひとつで、書き始めてくださいということである。それが200ページまで続けられれば、何らかの形では本になる。続けられなければならない。ただそれだけである。どの出版社も拒んだとしても、今は自費出版が充実している。

本を出せばわかるが、まったくカネにはならない。残念だが、赤字になるのが普通である。よく多くの本の帯に10万部突破なんて言葉が躍っているけれども、誰も数えていない数字をよくもあんな風に書くものだ。アルクのように正確にカウントしている出版社もあるが、たいていはその「突破!」数を多く書けば書くほど「ほかの人も買っているのか」と勘違いした人たちが財布からカネを出すのである。

カネにならないのにどうして本を出すかと言われるとなかなかひと言では言い表せないが、私の場合は肉体が滅びたあとも、つまり死んだあとも、書店なり図書館なり買ってくださった方の本棚なりに私のマインドが生き続けることを望むからである。そりゃ売れるにこしたことはない。けれども、そんなことより大事なことがある。

予定では10月に三省堂とGakkenから本を出すことになっている。現在の著作が91作なので、今年じゅうに93作になる。新しい子どもたちを大切にしていただければ嬉しい。生きている間にできるだけ多くの方々に手に取っていただける作品を生み出し続けたい。

木村達哉

追記
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