8月7日。夏の甲子園が始まった。甲子園球場周辺は試合前になると多くの人々がお集まりになる。アルプススタンドにいらっしゃいませんかと智辯学園の先生からMessngerを頂戴し、ほいほいと出かけていった。試合結果は延長戦に突入し、もつれにもつれたけれども最後は智辯の勝利。終了したときには21時を過ぎていた。

甲子園在住ですと自己紹介すると、たいていは野球ファンとタイガースファンから羨ましがられる。球場までは歩いて数分の距離に拙宅があり、打ち合わせがあると会議室と化している拙宅までアルク、Gakken、三省堂、Benesseなどの編集者たちは阪神甲子園駅で降りて5分から6分ほどお歩きになる。

甲子園というと阪神ファンが大騒ぎしているイメージが強いらしいけれども、拙宅を訪れる方々は皆さん「えらい静かな住宅地なんですね」と驚かれる。球場で試合がある日の駅前はそれなりに人はおられるが、それ以外は野球の匂いがしない街で、たかだか公園で子どもたちがキャッチボールをする程度。

ついでに言うなら、甲子園から大阪までは電車で10分ほど。神戸三宮まで20分弱。伊丹空港リムジンバスが出ているので空港には20分ほどあれば到着する。極めて便利な場所で、住んでよかったなと思っている。静かだし、便利だし。

興味深いのは周辺のお店だ。阪神戦や高校野球があるとかなりお店が潤うんじゃないかと思われる向きもあろうが、さにあらず。高校野球ファンはあまり周辺のお店にはよらず、とっととお帰りになる。阪神ファンも近くの居酒屋で飲む人たちもいないわけではないけれど、上記のとおり閑静な住宅地につき、あまり居酒屋がない。神戸や大阪まで移動して飲みなおす人たちが圧倒的多数である。

だから、甲子園駅近くにある木村が行きつけているお店で「明日から高校野球が始まるからにぎやかになるね」と女将さんに言っても「あまり関係ないですけどね」とおっしゃる。ららぽーと甲子園も驚くほど静かなもので、住んでいるこちらとしてはそのほうが嬉しいのだけれど、お店の経営者はこんなはずじゃなかったとお思いになるかもしれない。

夏の甲子園が始まった。甲子園を訪れるすべての方々に、甲子園を満喫してほしいな。

木村達哉

追記
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