8月12日。朝9時にアルク集合。お疲れ様と言って社を出たのが18時頃なので、9時間ほどをアルクで過ごした。先生方へのセミナーは8時間ほど。参加してくださった先生方のお役に立てば幸甚の至りである。佐藤仁志先生(聖光学院中学校高等学校)と丸山晃先生(ラ・サール中学校高等学校)もお疲れさまでした。
第一部は「英語の土台指導」。土台というと単語と文法のように思われるだろうが、そもそもの話として英語の勉強をする気持ちになっていない生徒に指導しても力は伸びない。なんで英語をやるのかを滔々と話をするのも英語科の役割である。また、日本語の力の低い生徒たちもかなり多い。外国語の力は母語より上にはいかないのだから、母語の力を伸ばすための取り組みも英語科は負わねばならない。
第二部は「リスニングとリーディング指導」。この二つの勉強は同じである。音を知っていること、続けること、圧倒的な量が必要なことなどについて話した。大事なことはセミナーで詳しく話したのでここには書かないが、その「圧倒的な量」を意識しない教員が教えると生徒たちは悲惨な目に遭う。英検2級や準1級程度の簡単なテストに合格しても「使える英語」からはどんどん遠ざかる。
第三部は「和文和訳と自由英作文指導」。よく「日本語を加工するコツは」と聞かれるが、これまた「圧倒的な量」をこなさない学習者にどう説明してもわかってはもらえないだろう。『新ユメサク』に掲載されている一筋縄ではいかぬ日本語300文ぐらいはこなしてほしい。自由英作文は「簡単な英語で書けばいいよ」と指導する愚について話した。
第四部は「スピーキング指導」。英語を話すトレーニングには2種類あるが、そのどちらも大切である。『ユメタン』は受験は言うまでもなく、英語を聞けたり話せたりするようになるための単語集として作ったけれども、あの速度に対応できる瞬間英作文のトレーニングは必須。それも「圧倒的な量」をこなさないと英語を話せるようにはならない。
第五部は「話術、やる気、その他」という、要するに第四部までに話せなかったことについてお話をした。この部が一番役に立ったと言ってくださった先生方も多くて微妙な気分だが、まぁお役に立ったのであれば嬉しい。なによりも教師は噺家であるから、話すのが下手な教師は練習しないと生徒たちの迷惑である。
200名ほどの先生方や教育系企業の方々がお申込みになったらしい。皆さんのお役に立ったものであれば嬉しい。参加することが大事なのではない。いい授業をする教師になることが何より大切なのだ。この先生、授業上手いなと、この先生の授業は確実に成績が上がるなと、生徒たちが実感する教員が増えてほしいという願いがなにより強い。
木村達哉
追記
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