8月14日。なんとも情けないことに熱が出た。昨日のポストで疲れたと書いたが、気が抜けると体も油断するのが常で、子どもの頃から試験の後やら試合の後やらに熱やらぜん息やらを出していた。体調を崩すとどうしても気になるのが他人である。あまり休むと担任がなにか疑うんじゃないかとか、ましてや欠勤すると管理職が体調管理もできない奴だとか思いやがるんじゃないかとか、そういうつまらない気を揉んでばかりいた。
今は熱を出したところで寝ていればいいので気楽である。すでに学生でも勤め人でもないから「欠席」やら「欠勤」やらという熟語とは無縁となり、担任や管理職の顔色を気にせずともよくなったのは超がつくほど幸せである。今から考えれば無理をして出ていくほうが風邪をうつしたり体調不良を長引かせたりするから良くないのである。何を気にしていたんだろう。
今から思えば灘校を退職したのも、他人の顔色をこれ以上窺いたくないという気持ちが強かったのだろう。それよりも、不安定にはなるけれども、自由に人間らしく生きていきたいという気持ちが勝っていたのだろう。私の場合はそういう言い訳をして天性の野良っぷりを遺憾なく発揮するのは欠点だけれども、せっかく生まれてきたのだ。自然が一番である。
熱が出たからにはじっとしていようという気質ではないので、ちょくちょく起きだしては簡単な作業をしているが、これまた勤め人であれば、明日も欠勤することになったらまずいので無理してでも寝ていようと考えるのだろう。が、こちとら誰に迷惑をかけることもない自由の身ゆえ、今日も参加者名簿を整理して考え事をしていた。
どうせ明日か明後日には熱も引くだろう。病気はそれなりに苦しいけれども死なない程度の病気ならばまったく問題はない。熱が引いたときにまた動き出せるよう、簡単なメモ書きと頭の中を整理していこう。書きたい本の企画書を練っておこう。そういえば読みたい本がリビングのテーブルに積んであったな。それをベッドサイドに持ってきておこう。
木村達哉
追記
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