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著者校正終了の巻

2024.08.17(土) 09:55

8月17日。10月に出るはずの『まるまる反復英文法総復習(基礎編)』の著者校正が終わった。三省堂のT編集者にはあれこれ指示を送ったが、それを原稿に反映するかどうかは彼次第。物書きは0を1にするのが仕事で、編集者はその1を100にするのが仕事。今となっては、私がやるべきは彼の編集を見守ることだけである。

作家が編集者に、編集者が作家に、それぞれ気を遣っていると良い本は生まれない。ここは違うんじゃないかと喧嘩を重ねながら、goodがbetterに、そしてbestになるかどうかはわからないにしてもそこに近づいていくのである。作家仲間の中には編集者のことを敵と呼ぶのがいるが、気持ちもわからんではないが、決して敵ではない。

そりゃ自分が魂を込めて書いた原稿にどんどん赤ペンが入っていくのを見るのは辛い。ここは直してほしくないなぁ。ここにトルツメと書かれると辛いなぁ。そんなことを考えているうちに編集者が敵に思えてくるのかもしれない。物書きは独善的になりがちで、絶対的に自分の文章に自信を持っている人間である。私もそうだ。

が、独善ほど恐ろしいものはない。文章は私のマインドだけれども、それが本という形になると出版社の商品となる。売れるように調整してくれるのが編集者だと思うことにしている。自分の文章がどんどん変えられていくのは辛い。が、良くなっていくのだと思わないとやっていられない。

今日、送られてきた初稿の著者校正が終わった。私にはもう何もやることがない。あとは商品となって市場に出るのを待つばかりである。

それにしてもMr. Evineと「終わったら飲もうぜ」と約束ばかりしているのに、私の脱稿が終わればと言っているうちに今度は彼があと十日ほどで脱稿だから待ってくれという状態になったようだ。作家ってのは自由な職種で、原稿さえ書いていればどんな格好をしていたって文句を言われることもなく、日によっては朝から晩までパジャマを着ていてもいいのだけれど、作家同志で予定を合わせるとなると不自由である。

お互い、仕事が途切れないのはありがたいのだけれど、そろそろ春から続いている飲も飲も詐欺はやめにして、彼の新作の脱稿が終わり次第、前回は今津駅近くの焼肉屋だったので、今度は阪神大石駅近くの寿司屋にてグラスを合わせるとしよう。

木村達哉

追記
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