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原稿チェック

2024.08.24(土) 08:00

8月24日。昨夜遅くにGakkenから自宅へ戻ったが、今日は『3ステップスピーキングドリルBOOK②』のゲラが届いていた。初稿への著者校正はすでに送ってあるが、それが反映されているかどうかのチェックである。しばらくは目を皿のようにして原稿をチェックすることになる。

以前訪れたある学校で、英語に自信がおありになるベテランの先生が控室にいらっしゃった。曰く、木村先生の著作のミスを一覧表にしときましたからぜひとも参考になさってください!と。こういう「親切」は非常に困る。その先生の一覧表の多くに「ネイティブはこうは言わない」と書かれてあった。うーむ…

ノンネイティブの著者が母語でない言語の本を出すのだ。ネイティブの方々、特に英語の場合はアメリカとイギリス、場合によってはオーストラリアの方々に何重にもチェックしていただく。アメリカが駄目と言ってもイギリスはOKをくださったり、その逆であったり、同じアメリカ人同士で意見が合わなかったりする。

つまり、本ができるまでに私の元の英語は完膚なきまでに叩きのめされて気の毒な状態になるのだ。そりゃなかには「日本人が書いたとは思えん!」と言ってくださる箇所もそれなりにあって、そういう場合には天にも昇る気持ちになるのだけれど。

したがって、私の本に間違いがあるとすれば、私の誤訳(ネイティブは日本語まではチェックしない)であったり、あるいは印刷の段階でなんらかのずれが生じたといったものであったりするものの、英語に関して言えば「ネイティブはこうは言わない」ということはあり得ないのである。『ユメタン』にしても『まるまる』にしても、全ての原稿が本になるまでに何人ものネイティブの目と脳を通り抜けているのだ。

なので、ひとりの自信満々の先生がどうおっしゃったところで、いちおう波風を立たせたくないのでご高説をお聞きするけれども、私の著作の英語が変わることはない。むしろできあがってきた原稿をチェックする際には、日本語のほうをしっかりと読むことになる。理解しやすいだろうか。誤解を招かないだろうか。そういった視点でじっくり読み込むのである。

木村達哉

追記
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