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ふわふわ

2024.09.01(日) 09:20

9月1日。今年も残すところあと4か月である。この数年間は絵本を創ったり外国語のドリルを作ったり沖縄で活動したりして過ごしてきたけれども、時間のうえをふわふわ飛んでいるようで落ち着いていなかった。「作家」という名刺を作ったのだけれど、こんなのでいいのかなぁなんて思ったものだ。

なにしろ作家になったからと言っても、実は作家になど誰でもなれる。本を書いたりモノを作ったりして生計を立てている人はみんな作家で、したがってきょうびはWebページに文章を書いて生計を立てている作家さんもかなり多くいらっしゃる。そんなのは作家じゃない!と言ってみても、作家には資格も何も必要ない。自分で名乗った者勝ちである。

遠藤周作先生は、小説家などは「大説」が言えない程度の人間だから「小説」家と名乗らざるを得ない存在だと書いておられる。本が売れても1冊何十円か、高い本でも百何十円かしか懐に入ってこない、つまり風が吹けば飛んでいってしまうような存在である。灘校教員を辞めてそんなのになったのだから阿呆極まれりである。

作家などはぐうたらな人間がなる職業であるというのも遠藤先生のお言葉であるが、私などは生来の野良につき、まさに天職。書きたいなと思ったもの、つまり「想い」を目に見える形にするのが作家である。したがって「想う」のも仕事の一部である。

誰か傍の人間が私を見て、こやつはずっとボケーっとしとるなと思っても気にしない。なにしろ「想う」のも仕事なのだから。無論、想っていてもカネが入ってくることはないので、想いがある程度熟したら、原稿用紙に、最近ではWORDに、向かうことになる。書き始めたらひたすら書き続ける。休むと想いが腐るからだ。ひたすら書く。周囲がどん引きするほど書く。書き続ける。まばたきもしない。

で、今日はなにを言いたいかと言うと、灘校を退職してからふわふわと時間の上を飛んでいるような感覚が3年ほど続いていたのだけれども、ようやく「書き続ける」ステージに上がった。ここからしばらくはふわふわというよりもむしろ、がしがし書く。やっと作家になった、そんな気分である。

木村達哉

追記
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