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日本は滅びるという発言に思う

2024.09.06(金) 08:00

9月6日。金融資産(貯金)に課税するとか確定申告を国民に義務づけるとか、要するにもっと税金をとらないと国としてやっていけないという発言が総理大臣候補者から出てくる国になってしまったんだなと憂いている。ファーストリテイリングの柳井正代表取締役会長兼社長の「日本は滅びる」発言があったが、このままでは確実だろう。

ZOZOの創業者が「力を合わせれば」と呑気な希望的観測を述べておられた。日本人が減っても終戦直後だって7200万人しかいなかったんだから、減った人口に応じた社会を作っていけば復活可能だと言っておられるこれまた呑気な方々もいらっしゃる。が、人口比率がまったく違う。

終戦直後の人口比率は戦時中の統計不足によって不正確ではあるが、だいたい以下のとおりである。
・子ども人口(o-14歳)  30%~35%
・生産人口(14-64歳)   55%~60%
・高齢者人口(65歳以上)5%~10%

現代の日本の高齢者比率は29%である。それと比べると1945年は高齢者が極めて少なく、逆に若い人たちが90%程度いたことがわかる。さらに1980年代に人口が爆発するのだが、それは女性の平均年齢が出産年齢だったからで、それも現代日本の女性平均年齢は51歳で、人口が増える要素がまったく無い。

力を合わせてもどうしようもないのである。日本は詰んだと海外で言われるのもいたしかたない。

人口を増やすために出産だけでは不可能だということで、お亡くなりになった安倍さんが移民政策をとった。ご本人は移民政策ではないとおっしゃっていたが、インバウンドを増やし、優秀な海外の人材が日本で働けるように条件を緩和したりと、要するに移民政策をとった。が、インバウンドは増えたけれども、海外の人材はほとんど入らなかった。

理由は給与である。「海外の人は安い労働力」というバイアスがある日本にくる外国人はどんどん減っていった。そもそも日本人の平均給与が極めて低いのである。アメリカへ行けば3000万も4000万ももらえる優秀な人材が日本に来るだろうか。東大を出た学生のうち、優秀な人材が外資系企業に流れるのも同じ理由である。

日本が滅びるからと云って個人も一緒に死んでいくわけにはいかない。自分の力を向上させて、幸せに生きなければならない。人口が減ろうとも大谷選手にはなんの関係もないが、それは彼が野球をしっかりと勉強し、国に頼らない生き方をしたからである。人によって何を勉強するのかは異なるが、いずれにしても圧倒的な量の勉強をするより他に方法はないのだと、我々指導者は子どもたちに伝えねばならない。指導者も呑気だと、子どもたちの未来はかなり暗い。

木村達哉

追記
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