大阪府茨木市にあります堀廣旭堂さんにお邪魔しました。これが2度目。いつも私の本を大切に置いてくださっている書店さんです。府立茨木高校のすぐ近くにあり、駐車場も完備しています。私の家からだと、30分ちょっとで到着します。
灘校の元同僚が、京都で数学専門塾を経営し始めたんです。四条烏丸の交差点からすぐのところで。京都大学卒の彼の教え方には定評があり、灘校も得難い人材を失ったなと感じています。73回生を一緒に6年間教えてきたのですが、共通テストの数学の平均点を見れば、いかに彼の指導法が優れているかわかります。
で、彼から連絡があったのが今月初旬。うちに通っている生徒なんですけど、英語は塾に通わずに自分で勉強しているそうなんです。どう勉強したらいいのかわからないと言っているのですが、僕はどうアドバイスすればいいでしょうか、と。
そんなもん、学校でどういう教材を使っているのかによって勉強法は異なるがな!と返事をすると、戸惑っている様子。わかった!俺がその生徒さんと面談するわと申し上げると、彼は大喜び。手術後の目が癒えた今日、京都に向かいました。73回生を一緒に教えた仲間ですからね。
京都に行くなら、高速を途中で降りて、堀さんのところに寄ろうと考えました。大手ではない、いわゆる街中にある書店さんです。限られたスペースで、なのにこのように私の著作を置いてくださっているのです。私も大切にさせていただきたいと思うじゃないですか。
「行きつけ」というと、居酒屋であるとか食堂であるとかを頭に思い浮かべますよね。しかし、行きつけの本屋さんというのがあってもいいのではないでしょうか。私の場合は作家ですし、本屋さんが大好きですので、あちこちの街を訪れると本屋さんに足を向けるのですが、それでも行きつけの本屋さんというのは存在します。
行きつけの本屋さんに行き、店長さんや店員さんと話をします。彼らのもとには日々、たくさんの本が入ってきます。したがって、どの本を棚に置くのか、どのように置くのかを考えないといけません。売れない本を棚に置いてもしょうがないですから。
餅は餅屋ということわざのとおり、本のことは本屋さんに尋ねるのが一番いいのです。こういう感じの小説を探しているんだけど、お勧めはないですか。こういう分野に関心があるのですが、いい本はないですか。会話をしているうちに、顔見知りになってきます。そうなるともうすっかり常連です。この前推薦してくれたあの本、面白かったよ!なんてやり取りができる本屋さんって素敵じゃないですか。
行きつけの本屋さんはありますか。この本屋さんにはあまりいい本がないなと思われる場合には、店員さんに言うべき。それによって店員さんとのコミュニケーションが始まります。どういう本があればいいですかと問われれば、答えればいいのです。お店はどんどんそういう本を入荷してくれます。そうすると、大したことのなかった本屋さんが良くなっていきます。行きつけの本屋さんを良くするのは、実はお店の人だけでないのですね。
川端康成先生が足しげく通った堀廣旭堂さん、棚に並んでいる本が光っています。昨日は京都に行く途中だったのであまり時間が取れなかったのですが、次に行く際にはじっくりと棚を見ながら、埋もれた宝物を探しながら、ゆっくりと時間を過ごさせていただこうと、またその帰りには、近くの川端康成文学館に立ち寄ろうと、考えております。
木村達哉拝