9月8日。兵庫県の斎藤元彦知事のニュースばかりである。日本維新の会の対応が後手で、大阪ではそれなりの人気なのかもしれないが、少なくとも兵庫県に関しては国会議員も県議会議員も「次」は期待できないのではないだろうか。政治家の最も大きい仕事は当選だと言われるが、当選ばかりを気にして民衆のことを考えない政党であってほしくはない。
自民党に疲弊していた一般大衆は、代わる政党を常に求めていたように思う。少なくとも企業経営者ではない労働者のなかでまともにものを考えられる人たちは、大企業が儲かれば中小企業も儲かり、企業が儲かれば人も儲かるという自民党の論理がすでに破綻していることを知っている。
かと言って、交通道路の無料化や教員免許更新制度の廃止などを訴えた民主党(当時)にがっかりさせられた私たちは、本当に現在の野党を信じていいのかどうかわからない。あの時、民主党が速やかに公約を実現させてくれていれば、今の日本はどうなっていたのだろう。
そんな中に登場した、タレントで弁護士の橋下徹氏が作った維新には大きく期待した。身を斬る改革という言葉に賛意を示す人たちが多かった。が、結局はこうなってしまった。特に今回の斎藤知事への対応は民主党以上のがっかりである。政治の世界も人材難であることがわかる。誰が出てきても、悪い意味での金太郎飴である。
ある経済学者が、若い人たちが全員投票に行っても高齢者の投票結果をひっくり返すことができないほど、日本は若者の数が少ないとおっしゃった。人口ピラミッドを見ると確かにそうなのかもしれない。が、あきらめていると柳井氏のおっしゃるとおりに国はなくなっていくだろう。今の子どもたちが働き盛りの頃には、働けなくなる国になる。
先日、広島に住む娘たちの家族が遊びにやってきた。2歳になる孫娘と遊びながら、この子が成人になる頃の日本、つまり18年後の日本を思って心配でしょうがなくなった。その頃の日本は2040年問題に直面し、約35%もの日本人が65歳以上となる。エッセンシャルワーカーの数が激減し、社会を維持することが困難になるだろうと言われている。おそらく年金制度などの社会保障システムを維持することは難しくなるだろう。
待ったなしの少子化対策と政治家たちは言うが、その割にはどの顔も当選のことしか考えていないように思えるのは、彼ら彼女らにとっても失業するとえらい目に遭うことがわかっているからだろうし、斎藤知事自身がまさに県民のことなどこれっぽっちも考えずに保身に走っているのは、「次」が確実に無いことがわかっているからだろう。
私になにができるのかな。日本を、せめて文章に残しておくことかもしれないな。
木村達哉
追記
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