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2001年9月11日

2024.09.11(水) 05:35

9月11日。あれからもう23年も経つのかと、岡山の夜を思い出していた。あれというのはアメリカ同時多発テロ事件である。2本のワールドトレードセンタービルが崩れ落ちるシーンは何度もテレビから流れ、世界中の人々に衝撃を与えた。日本人を含む約3000人の方々が殺され、アフガニスタン紛争と対テロ戦争が勃発する事態へとつながった。

2001年の同日、私は岡山にいてベネッセのMさんと表町だったか中央町だったかで飲んでいた。当時はガラケーが最新の携帯電話だったので動画など観ることはできなかったが、ある方が電話をくれて事件を知った。アメリカで映画みたいなことが起こってる!と叫んだその方の声を今でも覚えている。

それから何年も経って、模擬国連の引率でNYに渡ったとき、生徒たちにどうしても行きたいところがあるから二人でがんばっておけと伝え、グラウンドゼロに赴いた。巨大な真四角の穴に水が流れ落ちていく。お亡くなりになった方々のお名前が刻まれた銘板のここかしこに一凛の薔薇が置かれていた。否、名前に差し込まれていた。おそらくご遺族かご友人だろう。

すべての災害や事件は時間とともに風化していく。けれどもそれは無関係の人間の言い草であって、自分の大切な人が被害に遭った場合にはその限りではない。薔薇を刺した方々の胸の奥には、何年経とうとも憤り、悲しみ、虚しさなど、言葉では表現できないものがマグマのようにどろどろと流れているものだ。

私は1時間ぐらいグラウンドゼロにいて、人間について、戦争について、愛について、そして死について、考えていた。そうして私と同じような方々が、当時は写真を撮ってSNSにあげるという文化がなかったものだから、写真など撮らずにただひたすらにひとりで祈りを捧げておられるのを見ていた。

あの事件でお亡くなりになったのは約3000人だけれども、それに端を発したアフガニスタン紛争や対テロ戦争でどれぐらいの人間が亡くなったのだろう。そう思うと、人間の未熟さを思ってどうにもやりきれない。現在もロシアとウクライナをはじめ、世界中で人間が無慈悲に殺されているのだけれど、いつまで私たちは殺し合いを続けるのだろうか。

木村達哉

追記
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