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沖縄で台風と言えば行列

2024.09.14(土) 11:30

9月14日。台風が直撃するぞと散々脅された結果、沖縄ではいろんなイベントが中止やら延期やらになっている。昨日のポストに書いた書道家の我部天心先生のイベントも一週間延期になった。ご本人曰く「今週やりたかったんだよなぁ」とのことなので、おそらく来週はご自身の予定を変更して行われるのだろう。

沖縄の方ならご存じかと思うが、ひと昔前は台風が来るとなるとある種のお店に行列ができた。車は駐車場に入りきらないものだから58号線や330号線などに溢れ出た。お店が近くなるとひどい交通渋滞に見舞われたものだが、どういうお店かおわかりになるだろうか。

レンタルビデオ店である。想像を絶するような激しい雨と風。とても戸外には出られない。学校や会社もお休みになる。当然のことだがショッピングモールやスーパーマーケットも休みになるところがほとんどであるから、外に出ても面白くない。家にいて本を繙くなんていう人は少数派で、もっぱら映画鑑賞と決め込むのだ。これは沖縄の文化だった。

先日お世話になったタクシーの運転手さんにそれを言うと、懐かしそうに笑っておられた。特にこの数年は全国チェーンのレンタルビデオ店が閉店となり、沖縄で残っているのは2店舗か3店舗でしょうかねぇとのことであった。NetflixやAmazon Primeなど、テレビで映画を楽しめるようになった今、レンタルビデオ店に列を作る必要はない。

ディバイスが新しくなると文化が消えるんですねと言うと、運転手さんは「いい例ですね」と頷いておられた。かく言う運転手さんももっぱらNetflixなんだそうで、レンタルビデオ店には長いこと行っておられない。台風来襲のたびに新型テレビが売れるなんてことも沖縄ではもしかしたら起こっているのだろうか。

先日開催した大阪での勉強会でICTの加藤先生が「今後はAIで動画が作れるようになると思われます」と言っておられたが、そうするとバズりそうな動画作成のプロンプトを与えれば、誰でも人気のTikTokerやYouTuberになる可能性が高くある。さすがに2時間ものの感動的な映画をAIが作れるようになるには相当な時間がかかるだろうが、それにしたって今世紀中には実現しそうだ。

我々人間はどこへ向かっているんだろう。テクノロジーの進歩で社会と暮らしはさらに変容していく。それがベターな流れであることを願う。

木村達哉

追記
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