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郷に入っては郷に従え

2024.09.25(水) 06:00

9月25日。そういえばお亡くなりになった灘校時代の先輩の先生がスーツケースにサトウのごはんとインスタント味噌汁を詰め込んでおられたのを思い出した。旅好きを自認されていたので意外に思ったのだが、曰く「ご飯と味噌汁だけは無いとあかんねん」とのことだった。

私はと言うと、現地のものを喰うのが楽しみで行くようなものだ。困ったのがタヒチだった。暑いからなのかは知らないが、ステーキと果物以外は酸っぱくて、お箸が、厳密にはフォークが、進まずに滞在中に何キロか落ちた。ご飯も酢飯で、寿司の酢飯とは違ってかなり酸味の強い酢飯だった。とても食えなかった。食ったけど。

イギリスはあまり美味しくないと愚痴を言う人がいるし、確かに日本と比べればそうかもしれないが、あの薄い食パンも、味の薄いパスタも、フィッシュアンドチップスに添えられているごわごわしたポテトサラダも、すべて何かしらの歴史がある特有の文化なのである。むしろ、海外旅行で日本人用に準備されたと思しき「美味しい」料理を食べるのはどうも苦手だ。

お菓子も然りで、現在私が滞在中の国でもポッキーなどの日本製品が売られているけれども食べないようにしている。日本でも食えるのだから海外では海外のお菓子を食べてみたい。美味しくなくてもいい。そこでは美味しいと思われているから売られているのだ。海外ではこれが美味しいのかと思いながら食べるのがいいのである。カップラーメンなどもそうだ。カップヌードルは大好きだが海外では食べたくない。

旅先での食事は楽しい。昆虫などを食した経験はないけれど、現地の皆さんがそれを食べている国を訪れることがあれば喜んで食べるだろう。ビールはキリンの一番搾りが大好きだが、椎名誠が書いている「しょんべんビール」だって飲んでみたい。1パイントだって飲んでやる。海外でキリンやアサヒを注文することは絶対にない。

風景だけでなく、食事の違いを含め、地球を楽しみたい。それがすべてである。

木村達哉

追記
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