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読んだら書く、書くために読む

2024.10.07(月) 11:00

10月7日。アルクから来年以降に本を出すにあたり、文章を大量に書かねばならなくなった。大学の過去問を使う会社もあるが、そうするとその文章を書いた著作者に対して著作権料を払わねばならないのである。カネをケチっているわけではない。その作者を探すのが大変だし、それが海外の方だと特にそうなのだ。それなら文章を書き起こしたほうがいい。

赤本ではすでに設問だけが掲載されていて、肝心の文章が載っていないものもある。中には文章が載っている「過去問」もあるが、あれは著作権料をお支払いになっているのだろう。そうでなければ、たまたま見つけた著者から訴えられることになり、本の回収など面倒なことになる。

たとえば三省堂から出した「毎日続ける英語シリーズ」全4冊もすべて私の書き起こしである。リスニングはトランスクリプトがさほど長くないのだが、リーディングの長文ともなればけっこうな作業である。加えて、私は文系学部卒なので数学や物理、化学や工学を扱った文章はごめんなさい書けませんというわけにはいかない。

その点で、書くためには多方面の文章を読んでおかねばならない。クイズ番組程度の知識であればなんてことはないのだろうけれども(それでも大変だろうが)、500から900語からなるいっぱしの文章を書くとなれば、読者に読んでよかったと思ってもらえる程度の深さの知識が必要である。

今日書いた文章はアフリカのグリーン・グレート・ウォール(緑の万里の長城)に関するものである。英語の勉強をすると同時に、劣化していく大地を救うために多くの方々がこうしたプロジェクトで汗を流していることを知識として持ってほしいと願って書いた。英語とコンテンツの両面で、これはいいなと思ってもらえる文章を書きたい。

文章を書くために灘校を退職したのだから泣き言は言わないが、それにしても100ほどの文章を短期間に書き起こさねばならないのは大変なことになったなと思っている。せめて、多くの読者に読んでもらえる本になってほしい。アルクの営業マン諸氏よ、頼んだよ。

木村達哉

追記
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