10月8日。実は訳あってというほどややこしい訳もないのだけれど、海外のサイトを覗いてばかりいる。海外事情を知りたいというのがひとつ、もうひとつは執筆の資料にするためである。海外事情については、以前から書いているとおり、可能であれば海外で1年なり2年なり暮らせないかなと思っているのだ。
この夏に教え子のひとりがオランダに移住した。家族との暮らしをSNSにアップしているのを見ると、彼と同じ年齢のときには勤め人として先輩から暴言を吐かれながらも我慢して生きることしか考えていなかった自分を思い返す。当時はコンプライアンスという言葉などなく、学校という場所がそもそもそうなのだけれど、若手の声が組織に届くはずがなかった。
我慢してばかりいた。これはあまり良くないなと思い、人生の先を考えて勤め先を変えたが、勤め人を止めるという気持ちは、つまり独立するという気持ちはまったく起こらなかった。もしも今、灘校に移った年齢だったら私はどう生きるだろうとよく考える。
勤めを辞めるというのはけっこうな勇気が要るものだ。勤め人は不自由を我慢していれば無能であっても毎月決まったカネが入ってくる。一方、自由になると人生の時間を好きに使うことができるが、気が付くと年がら年中仕事をしている。好きなことしかやらないのだから不満はないのだけれど、責任は勤め人時代の倍増どころの話ではなくなった。
海外に出るとすれば、下手の考え休むに似たり、えいやぁ!と決めて出ることになるのだろう。そのときには自宅を売り払い、然りべき準備をし、家人と愛犬を抱えて飛び出していくのだろう。それが来年になるのか、それとも数年後なのかは自分にもわからない。海外で暮らしてみたいという想いが腐らなければ、もしかしたら人生で最も大きい夢として抱え続けるのかもしれない。
実現したら、なんだこんな簡単なことだったのか、もっと早くに思い切っておけばよかったなと自分を笑うことになるのかもしれない。
それはそうと、いろんな海外のサイトを見ながらそんなことを考えてばかりいるので執筆が一向に進まない。いい加減にしとかないといけない。
木村達哉
追記
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