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執筆依頼

2024.10.09(水) 08:10

10月9日。物書きをやっていて一番嬉しいのは「脱稿」で、やった!自由になったぞ!という気持ちになる。おそらく朋友のMr. Evineも同じ気持ちだろう。あぁ、そろそろ彼を飲みに誘わなければならない。お互い脱稿したら誘おうぜと言っていたのに、二人とも1冊が終わればすぐに次の本の執筆に向かうものだから誘えずにいる。Evine、誘えよ。

「脱稿」、つまり1冊の原稿が終わり、編集や校正を経て拙稿が本になって書店に並ぶのも嬉しいけれども、それなりに売れないとすぐに書店から姿を消すことを考えると「増刷」も嬉しい。ただ、出版社からこんな本を書きませんかという声がかからなければ自費出版するしかないので、その点では「依頼」も嬉しい。

木村というと『ユメタン』や『東大英語リスニング』が代表作らしく、どこへ行っても「●●の木村先生」の●●にはそれら書籍名が入るので特にアルクとのつながりは濃いのだけれど、物書きという不安定な立場で物を言うなら依頼をくださる出版社はどことも濃いつながりを保っておきたい。

紙の本が売れなくなって、この数年は執筆の依頼が減ってきたように思っていたけれども、依頼には波があることを実感している。というのも、ここのところアルクや三省堂から依頼に次ぐ依頼を頂戴し、嬉しい悲鳴を上げているからだ。1冊も売れなくなったら所得ゼロの生活を送らねばならない物書き業としてはありがたく思う。

Gakkenから出した『3ステップスピーキングドリルBOOK②』の動画を撮ってくださった担当者が、すでに絶版になった旺文社の速読シリーズの愛読者だったらしく、あれをGakkenから復刻版として出してほしいとおっしゃった。本を出すかどうかは物書きではなく出版社が決めることなので私からどうこう言えることはないが、実現すれば嬉しく思う。

毎日パソコンに向かい、目をしょぼしょぼさせながらブラインドタッチでキーボードをばんばんと叩いている。せっかく書いた文章を何行もバックスペースキーで削除し、またばんばん叩く。そんなことを繰り返す毎日である。不健康極まりないが、読んでくださる方々、待っていてくださる方々がいらしてこその物書きである。

大谷君のように大歓声を浴びることはないけれども、ガッツポーズをすることもないけれども、自分の作品が日本中の、そのうち世界のいたるところの、読者の方々に愛されればいいなと願って、今日もキーボードをたたき続けるのである。今日もよく働いた。

木村達哉

追記
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