10月22日。久しぶりのゴルフ。前回は90切りを果たしたので意気込んだのだが、意気込みが過ぎたのか前半りきんでしまって47しか出せず、終わってみれば91だった。悪くはないが、あと２打縮めたかった。あともう少しだったのにと人生で何度言っただろうと思いながら帰路についた。

灘校を退職する何年か前までは無趣味を貫いていた。仕事が趣味でいいじゃないかと思っていた。英語を勉強し、授業法を改善し、休みの日にも教材を作る人生でいいと思っていた。が、よく考えれば退職後は文字どおり空っぽになることに気が付いた。それではいけない。生きている間はずっと幸せでいたい。

年をとっても続けられるものがいいなと思い、また一人でもできるものでないといけないなと考えて、ゴルフを真剣にやることに決めた。やるからには徹底的にやってやろうと思ったのである。当時、私のスコアはだいたい100台か110台。悪いときには120以上叩くこともある。年一回か二回のゴルフなのだからしょうがない。

ゴルフの本を読み、ゴルフの学校に通い、スウィングを徹底的に見直した。日々の素振りは言うまでもなく、こうすればスコアが小さくなる（ゴルフは数字が小さいほうが上手い）と聞いたことはすべてやることにした。体幹を鍛えるのは言うまでもない。今も毎日スクワットを欠かさないのはゴルフのためである。

一昨年の平均スコアが97.4になった。平均して100を切れるようになったのである。昨年はそれが95.3になった。そして今年は今のところ93.5である。平均値を出すことで、多少ミスしても気持ちを切らさずにプレーできるようになった。この数字を来年か再来年には80台にしたいと思っている。

趣味といえば、8月2日に衝動買いをしたウクレレは毎日弾いている。ミニライブぐらいならできる程度にはなった。三線はチューニングができなくなったので新しいのを買わねばなるまい。さくらと散歩をするのは趣味のうちには入らないとも思うが、いずれにしても仕事だけの人間ではなくなった。それが良かったのかどうなのかはわからないが、仕事だけの頃より間違いなく日々充実している。

木村達哉

追記
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