10月24日。灘校の創立記念日につき休校。私にはまったく関係がなくなったのだけれど、この日は教職員やOBの校長杯が毎年開催されている。10月24日が近づくとゴルフの練習に出かける若手教員が多かったのだが、時代も時代、最近では参加者が激減し、年寄りばかりになった。還暦の私が下から二番目というのだからけっこうな平均年齢である。

みんなでお金を出し合って賞品をそろえ、和気あいあいとした雰囲気で、それでもかなり真剣にプレーする。最近の灘校はどうなんやと現役組に話をうかがったり、あの人来なくなったなぁ、なんでかなぁと嘆き合ったり。今日もそうだったけれど天気に恵まれることが多く、精神のカタルシスにはもってこいである。

年齢的に君づけで呼ばれることは少なくなったが、この校長杯では「木村君」「きむちゃん」である。私もさほどドライバーの飛距離が出るわけではないが、これまた年齢的に私のボールもかなり飛んでいるように錯覚してしまう。皆さんが笑顔のゴルフほど気持ちの良いものはない。

先輩の先生から「なにやってるん？」と聞かれたので「文章を書いています」と答えた。「儲かるん？」と聞かれたので、新聞の連載でいただけるのは月5000円ほどですねと答えると、まぁせやけど好きなことやってるねんから幸せなこっちゃでと言っていただけた。ゴルフも含め、まさにそのとおりである。

別の先輩からは、60代はまだ余裕で元気やったけど70すぎるとかなり体がきつくなるから、せいだい鍛えとかなあかんねんでとも言っていただいた。なかなか人生の先輩から金言を頂戴する機会はないので、これからもコンペほど大きくなくていいので、皆さんとラウンドしたいという気持ちが強くなった。

ゴルフは、ゴルフそのものよりもむしろこういう会話を楽しみながら、そして２万歩ほどのウォーキングをしながら、スポーツできるのがいい。気を遣わねばならない誰かがいるとつまらないが、このメンバーならスコアが多少悪くてもご一緒したいなと思いながら帰ってきた。先輩方、ありがとうございました！

木村達哉

追記
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