11月10日。大阪の天王寺にあるSUR予備校で保護者対象の講演。「伸びる子の親、そうでない子の親」という演題で、若い頃の私に聞かせたい内容の講演であった。えらそうに上から語ったけれども、私自身もずいぶん失敗したし、西大和学園と灘校で失敗し続ける親を見てきた。それらを踏まえてお話をさせていただいた。
一番前に座っておられたのが西大和学園の保護者だった。講演前は、それが生徒対象であっても教員対象であっても、前列の方々と喋ることにしているのだけれど、地元大阪の人たちばかりということもあり、開始時にはけっこうな方々と親しくなっていたように思うし、したがってふんわりした雰囲気で進めることができた。
教育には正解がないのは当然である。他人の家庭でうまいこといったからといって、それを自分の家にも取り入れるとたいていは大やけどを負う。聞き分けの良い子どももいれば反抗的な子どももいる。前者に対する教育と後者に対するそれが同じわけがない。したがって、「うちの子を東大に入れました」な人の話は、話半分で聞いても多すぎるというものだ。
具体的で大切なことは長くなるのでメルマガに書くことにするが、ご来場くださった方々には逐一かなり詳細にお話し申し上げた。終わってから何人かの方々がお残りになり、即席での相談会が開催されたが、私の話が子育てのお役に立てば嬉しく思うし、メルマガも然りである。
自分が育ったのと同じように育てたいと思う親も多いのだろうけれども、昭和と今とでは時代が違い過ぎる。スマホなどなかった昭和時代と生まれたときからネットがある現在の子どもたちが同じはずがない。当時、小説に没頭した木村少年も、もし今だったらスマホを横に倒しているかもしれない。
なにより大切なことは環境づくりである。言っても無駄な「勉強しなさい」を封印し、勉強している自分の背中を見せるのが親の役割だと考える。大人がクチをポカンと開けてスマホばかり触っているのに子どもだけが勉強しなければならないという家であってはならない。
木村達哉
追記
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