11月15日。沖縄ではたいてい毎日が雨である。修学旅行生や観光客には気の毒なんだろうけれど、それも沖縄である。この時期は比較的ましではあるが、それでもたいてい毎日雨が降る。毎日雨が降るのだから毎日傘を持って出るのかというとそうではない。逆である。傘を持たずに濡れネズミになっている子どもたちをよく見る。
雨が降ると、遠くから見ると美しく見える青々とした公園が、実は赤土のうえに草が生えていることがわかる。赤土が顔を出し、その上を歩くと靴がどろどろになる。野球場やゴルフ場の人工的な芝生ではない。そこには無数のムシがいる。県外では見ない種類のバッタが足元から飛び立ち、数メートル先の草に姿を隠す。
ムシと書いた。昆虫とは違う生き物もいる。以前、愛犬の散歩を雨上がりにしていると、知らないおばあさんが忠告してくださった。帰ったら犬の足には必ず石鹸をつけて洗わないとだめだよ、と。放っておくと病気になるようなムシが無数につくとおっしゃる。それ以来、散歩後は嫌がるさくらの足に犬用シャンプーをつけて流水で洗うようにしている。
雨が降るとアフリカマイマイを見つけることも多い。画像検索をしていただくとおわかりいただけるだろうけれど、このアフリカマイマイは手のひらサイズのでっかいカタツムリである。中にはペットボトル大のサイズもあり、初めて見る人はスマホを向けることだろう。こんなのがいるんだ!と。
が、お気をつけあれ。このアフリカマイマイは病原菌のカタマリである。寄生虫をはじめ、あなたの体内に入り込んで重病を引き起こすムシたちが棲み付いている。間違って触った場合は、散歩後の犬どころではないぐらいに石鹸をつけて、何分間も洗ったほうがよろしい。というより、間違っても触ってはいけない。
沖縄では毎日雨が降る。悪いことばかりではない。雨がやむと美しい虹が出る。沖縄の虹は大きい。一部ではなく、全部見えるときもある。あの虹の下に行ってみたいなと思うことだろう。スマホを向けるのもいいが、じっくりと沖縄の虹を楽しんでいただきたい。
木村達哉
追記
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