11月24日。東京にてセミナー開催。指導者対象ということだったが、とは言え無料なので誰でもおはいりいただけるのである。アルクセミナーを無料にしてもらってから気楽に指導者じゃない方にもいらしていただけるようになったように思う。今回のテーマは「英語を話すために」であった。
静岡でランゲッジ・ヴィレッジという英語研修施設を運営されている秋山さんにおいでいただいた。ランゲッジ・ヴィレッジは日本語厳禁で、授業中は言うまでもなく、食事中も部屋でだべっているときも入浴の際もずっと英語を頑張って話そうという場所で、一週間も経つとかなり英語が話せるようになりますとのことであった。
興味深かったのは、最低限の条件は何ですかとお聞きした際に「英検3級で満点が取れる程度に英文法の知識がないといくら滞在されても英語は話せるようになりません」と仰ったことだ。英文法、つまり英文のルールを知らないと英文を作ることができないのだから当然である。
日本人の数が激減している。70年後の日本人の人口は4959万人というのが厚労省の推計である。今の小学生が80歳になった頃にも年金制度が維持できていると考える呑気な人がいるとすればお会いしてみたい。その社会で日本語しか話せない人がどんな目に遭うのか、少し考えてみればわかるはずだ。外国語のひとつやふたつできないと、日本村だけでは生きていけまい。
そんな中、いまだに教科書の全訳を中心とした英語指導をされている高校も少なくない。文科省はなにをしているのだろう。頭が悪いだの動きが鈍いだのと言われている文科省官僚にこそ、今日の勉強会を見てほしかった。英文法について彼らはどう考えているのか聞きたかった。彼らは現場を知らず、学ぼうともしない。自分たちが国を滅ぼしているという自覚がない。
今週末(30日)は仙台で、今日のセミナーの拡大版をさせていただく。ランゲッジ・ヴィレッジの秋山さんはいらっしゃらないけれど、英語リスニングとスピーキングの重要性および勉強法指導法についてお話ししようと考えている(詳細はこちら)。残念なことに、セミナーにいらっしゃる指導者はだいたいまともな方々で、あなたこそ来ないといけないのにという方は来ない。
木村達哉
追記
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