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日々鍛錬

2024.11.27(水) 09:45

11月27日。先日、ある若い先生が私のセミナーにいらっしゃって、英語が大好きなので英語の教員になりましたと仰った。なるほど、それは素晴らしい。教員不足なので、あなたのような人が増えればいいよねと申し上げた。が、その後、英語が大好きなのであれば、どうして英語を使う側にまわらなかったのですかと質問した。

困った顔をされたのでそれ以上はつっこまなかったのだけれど、英語の教員が英語を使って仕事をしているかというと、なかなか難しい。そりゃ使っていると言えば使っているのだろうけれど、実際に英語でビジネスをされている企業の人たちほど使ってはいない。つまり、コーチであって選手ではない。

ただそうは言っても、英語が使えない先生に教えられた生徒は、文法や構文の解説ばかりされていつまで経っても外国人の言っていることを聞き取れないし、自分が話すこともできないという状態が続く。それでは外国語の勉強が面白いわけがない。私はドイツ語の勉強をしているが、話せてナンボである。

その点で、英語の指導者はコーチなんだけれど、それでも選手としての力を衰えさせてはならない。そこがなかなか難しい。なぜなら多少英語力が低い教員でも、自分より低い生徒たちになら教えられるからである。逆に目の前にいる生徒たちが偏差値80の集団であればかなりの緊張感を伴う。この先生、全然あかんなと一発で見抜かれるからだ。

その若い先生には、英検3段程度を目指して勉強してくださいと申し上げた。1級がやっとという低いレベルでは教えられないからねと。真面目そうなその若い先生は頷いておられた。努力する姿勢があれば、時間はかかるが伸びるだろうし、いい先生になるだろう。

若い先生方がセミナーにいらっしゃると、いつもこういう話をするようにしている。今は目の前の生徒たちを教えることができるかもしれないけれど、そのうちある年度から私のように目の前にいる生徒たちがじっと私の英語力を推しはかっている状況に置かれるかもしれない。泥縄では英語力は身につかない。日々鍛錬である。

木村達哉

追記
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