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仙台にて ~英語力が世界92位というので

2024.11.30(土) 09:00

11月30日。仙台セミナー開催。会場はおかげさまで満席となった。今回は学校の先生方のみで、塾予備校関係者はどなたも参加されていなかった。英語指導者としては、日本人の英語力が世界92位で「英語ができないグループの最下位」について語らないわけにはいかない。冒頭はその原因について議論するところから始めた。

文科省が悪いのか、生徒のやる気の問題なのか、はたまた総合型選抜という名称の推薦入試が原因なのか、言うまでもなく正解はない。正解がないからといって考えないのは無能の業である。英語など要らない社会であれば、そもそも学校の教科から英語を外してしまえばいいのではないか。必要だと考える人が多いから「外せ」という声が出ないのではないか。

セミナーでは哲学対話の形を取りながら参加された先生方にはフルに頭を使っていただいた。後半はAIと英語指導、スピーキング指導について取り上げたが、表層的な指導や対策ばかりしていると英語力は上がらない。しっかりと考え、最終的には英語を使う時間を如何に確保するかが最重要ポイントである。

今回はアルク、ベネッセ、Gakkenの3社によるセミナーであったが、おかげで東北全県の英語の先生方が各県の問題点を話し合う機会も持てたように思う。開催してくださった各企業には厚くお礼申し上げたい。

セミナーは、開催したり参加したりすることが目的ではない。今後の英語指導に生かさねばなんの意味もない。日本人の英語力が低いのを受けて、タレントの大竹まことさんが「教えるのが下手なんじゃないの」と番組でおっしゃった。英語指導者の端くれとしては、実に悲しかった。情けなかった。

文科省のせいにするのは簡単だけれども、では我々は本当に指導力を発揮できているのか、子どもたちにもっと英語を勉強したいと思わせているのかを常々振り返ることは必要である。All EnglishだのActive Learningだのとマスターベーションばかり繰り返す英語指導には未来がない。

学校なんて行かなくても自分でできるんだからとそっぽを向かれる前に、我々こそ自分たちのレーゾンデートルに危機感を抱きながら研鑽を重ねなければならないのではないか。ただ、セミナーにいらっしゃる先生方は学ぶ気満々でいいんだけどね。お前こそ参加しろよと言いたくなるような教えるのが下手な先生方は決していらっしゃらない。

木村達哉

追記
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