12月1日。東京ビッグサイトで行われた文学フリマに初めて参加した。以前、灘校生や灘校保護者の実情を書いた本『東大に入る子が実践する勉強の真実』をKADOKAWAから出したが、その際に編集をしてくださった原さんが出店されるというので、それならどんなものなのか行ってみようと思い立ったのである。行ってよかった。もっと早く行くべきだった。
ものすごい人!人!人!こちとら奈良の田舎生まれである。呼吸ができない思いを抱きながら、原さんのブースまでようやっとたどり着いた。『東チベットで鳥葬を見てきた』を売っておられる原さんとしばし歓談。翻訳家の越前敏弥先生との合同出店ということだったが、しばらくしたら越前先生もいらっしゃいますよということなので、次の目当てに向かった。
向かったのは東京大学文学研究会のブース。写真左の白いセーターの彼女は弘学館高校の卒業生で私の講演を聞いたことがあり、右の彼女は湘南高校で『ユメタン』を使っていたとのこと。若い女の子たちからキャーキャー言ってもらえて気分よく『駒場文学』の第100号をゲットした。
途中で慶応義塾大学の三田文学や新潮社に道草をしながら再び原さんと越前先生のブースへ。私は『翻訳百景』の、妻はダン・ブラウンのシリーズの読者だと告げると嬉しそうな越前先生としばし歓談。次作についてもろもろお伺いする時間は実に楽しかった。先生の『訳者あとがき選集』はじっくり読みたい。
興味深いブースが2600以上も出店していたのだけれど、人いきれに耐え切れずにビッグサイトを後にした。数冊の本を手にしたが、それぞれに思いのこもった本である。出版社が出したものもあるが、ほとんどは著者自らが金を出して作った本である。積読にならないように、こちらも著者の想いを読み取りたい。
原さんから、キムタツさんも出店されてはいかがと言って頂いた。今のところ、出版社から出す予定の本を数冊抱えてはいるが、そう言われれば大きい印刷会社で取締役をやっている西大和学園時代の教え子もいることだし、関西でも文学フリマは開催されているのだから、出版社を頼らずに作ってみるのもいいなと考えているところである。
いい経験になった。やはり、行ったことのない場所には行くべきだと改めて思った。
木村達哉
追記
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