12月15日。22日に福岡で勉強会に登壇する(こちら)のだけれど、演題を「哲学と教養」とした関係で過去に読んだ文献を読み返している。えーとね、あのねぇ、あーえーっと、はいっ!ね!…話し手がこれらの連続では伝わるものも伝わらない。そういう意味のない言葉を「フィラー」と呼ぶのだけれど、フィラーは少なければ少ないほどいい。
ある先生がご自身のフェイスブックに「論理的思考が大事だというのはわかるが、どう涵養すればいいのか、どう指導すればいいのかがわからない」とお書きになっていた。論理的思考とはつまり哲学である。哲学というとなんだか難しい印象を抱く人もおられるのだろうけれど、非常に身近なものである。
勉強会では「優先座席は必要か」「学校の授業には出席しなければならないのか」を例題として、参加される方々に考えていただく。といっても、哲学を知らなければ考え方がわからない。認識論、存在論、演繹的推論、帰納的推論、弁証法、基礎付け、反基礎付けなど、基本的な論理的考え方のスキルは持っておくべきだ。
今年はGakkenから『3ステップスピーキングドリル』BOOK1とBOOK2を刊行した。与えられたテーマに沿って話せという本である。が、話し方がわからないと思われるので、話し方、つまり考え方がわかるように執筆した。第3ステップをしっかり読んでくださった方々は哲学の基礎をご理解くださったのではないか。
よく考えろ!と大人は言う。そのわりには考え方を教えない。これでは考えようがないではないか。
『3ステップスピーキング』に掲載した考え方はあくまでも一例である。22日に行われる勉強会では弁証法や推論の方法を簡単に説明し、実際にそれぞれの論理的思考法を使って考える機会にしていただこう。英語とは無関係の話だが、最終的には英語で考えて英語で話すのも面白いなと思っているところである。
木村達哉
追記
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