12月30日。夕方に沖縄から自宅に戻った。飛行機の中で今年の日記を1月から読み返したら、3月までは帰ってから「気温差についていけず終日寝ている」と三か月連続で書いてある。この時期は沖縄もそれなりに寒いのだけれど、関西の比ではない。ましてや沖縄の前は秋田にいた身である。
沖縄に行くのにはいつが一番いいですかとよく尋ねられる。人によって意見は違うのだろうけれど、聞かれたら4月か10月と答えることにしている。どちらも観光客が少なく、渋滞地獄の沖縄でも車が比較的少ない。並ばなくてもお店に入れる。海で泳げるし、海の家だって開いている。レンタカーやホテルが比較的安い。
とは言ってもそんな時期に旅行ができる人は少ないので、答えたしりからガッカリされる。そこへきて「キムタツさんはいつでも行けるからいいですね」と嫌味ともとれるようなことを言われてしまう。親切に答えたのにそんな目に遭うのは割に合わないというものだ。が、それでも4月か10月と答えてばかりいる。
逆にもっとも沖縄旅行に向いていないのはと尋ねられると、これはもう絶対に7月末から8月と答える。道は大渋滞。ホテルが高い。飛行機代が高い。モノが高くなる。お店の行列が長い。さすがの私も8月は仕事がなければ沖縄には行かないし、仮に沖縄に滞在していてもほとんど出歩かない。暑すぎるし、紫外線が3倍もあるのだ。健康に悪い。
沖縄はとてもいいところだとは思うが、最近はリラックスした南のリゾートという体ではなくなったとよく言われる。大渋滞も原因のひとつなんだろうけれども、イオンやParcoなどの県外企業が進出したのが大きいように思える。海がきれいと言ってもそれは遠目に見る海で、サンセットビーチもアラハビーチもどこもかしこも海は入ってみると茶色である。
こうなると元には戻らないんだろうなと思う。大学からは県外に出ていって戻ってこない生徒たちを見ていると、旅行するのにはいいのかもしれないが、収入や渋滞や物の値段や地価から考えるとなかなか住みにくい。先日、徳元市長との対談ではそれらの解決策を伺ったが、基地問題よりも深刻な問題があるように思えてならない。
人は優しくていいんだけどね。今となっては私は沖縄に行っているというより、沖縄の人に会いに行っているのである。長いこと泳いでいないし、主たる観光地にはほとんど行かないようにしている。人に会いたくて沖縄に行くのだ。
木村達哉
追記
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