1月5日。甲子園球場、私にとっては大きい居酒屋である。スタンドでビールを飲みながら小説を読みながらたまに野球を観る。タイガースファンではないので、誰がヒットを打った云々はどうでもよく、ひいきの選手が出てきたら静かに応援する。母校の後輩である近本君や、福岡工大城東高校に講演に行った日にドラフト指名された同校OBの梅野君など。
子どものときは「いつかは甲子園に」なんて言っていたが、自分のレベルの低さなど自分が一番わかっているものである。言いながらも絶対に無理だろうなと思っていた。出場できるとしたら審判やボールボーイかなと考えていた。この年齢になるともう実現しない腐った夢になってしまっていた。
が、昨年の秋だったか、夏に智辯学園の応援に来ませんかと誘ってくださったKさんからご連絡をいただいた。
正月に甲子園のグラウンドを走るイベントがあるんだけど、一緒に走りませんかというお誘いである。昨年は外周を走ったそうだが、今年は工事をしている関係でグラウンドを走るとのこと。おお!ついに甲子園の土を踏めるのかと興奮し、お願いしますと返信した。今日がその日であった。スタンドからグラウンドを見下ろすことは何度もあったが、見上げたのは初めてである。甲子園の土に触りながら少年時代を思い返していた。
皆さん、タイガース色で統一しておられたのだけれど、私は家から灘校野球部監督時代のユニフォームを着ていったものだからひとりだけ逆に目立つことになってしまった。肝心の走りだが、実は元日から球場近辺を走っていたので、1周目は楽勝であった。1時間で何周できるかを記録する大会だが、我々のチームは31周。うち私は3周であった。貢献度大である。
今日の甲子園球場ランも含め、せっかく正月から5日連続で走ったのだから、このまま今年は走れるときに走ることに決めた。今年走り続ければ来年の正月は違う自分を発見することになるだろうし、それは楽しみである。
子どもの頃、「いつかは甲子園に」と言っていた夢が実現した。選手としてではないにしても、また野球をしたわけではないにしても、野球人としては嬉しくてたまらない。誘ってくださったKさんは言うまでもなく、チームの方々全員にお年始をお渡ししたい気持ちでいっぱいである。とても幸せな気持ちでいる。
木村達哉
追記
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