BLOG / ブログ /

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 投資と資産形成

投資と資産形成

2025.01.08(水) 11:30

1月8日。灘校に勤務していたときは今日が仕事始めであった。7日夜は翌日の警報発令を願ったものだが、この時期に大雨や洪水に期待することはできそうになく、9日から始まる授業の準備を黙々としていた。受験レベルの教材作成や予習などは数分で終わるのだが、そもそも生来の野良につき出勤そのものが面倒なのである。

2021年に退職し、晴れて自由の身となった。どこからも給料は振り込まれない。銀行に行ってもATMに表示されるのは「記帳する取り引きはないぞ」というようなものになった。こりゃえらいことになったぞと、以前から興味だけはあった投資を始めようと思った。

結論から言えば、もっと早くから始めておくんだった。人生は後悔のカタマリだが、財産に関して言えば父親の小切手の裏書きをしたせいでえらい目に遭ったことと、58歳まで投資をしておかなかったことだ。単純計算で考えても数百万、いやもっと多くのカネを手にすることができていたのに。

自己投資をしようと思うとカネが要る。例えば、絵本を創るのに専門学校に3年通ったが、授業料や絵を描くための道具を全部合わせると100万ほどかかった。また、沖縄や福島でボランティア活動を10年以上続けているが、それもカネがなければできない。ボランティア活動に必要なのは自己資金である。

給料は増えないのだからそれ以外で増やさねば自己投資もボランティア活動もできないのである。どうやって増やすか。アルバイトもいいのだろうけれど、寝ている間に増える投資をどうして思いつかなかったのだろうと悔やんだ。哲学的思考云々言っているわりには頭が悪い証左である。

灘校から頂戴した退職金を全額投資にまわした。リスクマネーと言えばリスクマネーなんだろうけれども、それを言うなら三菱UFJ銀行に預けてあるお金だって安全ではない。銀行に預けるというのはつまり「全額を日本円に投資している」のである。インフレ率を考えると、こうしてブログを更新している間にも減っていることがわかる人にはわかるはず。要は金融に対する知識が無さ過ぎると投資を思いつかないのだ。<投資=株>だと勘違いしている人がいかに多いか。

退職金をUFJに預けていたらほとんど増えず、物のプライス高騰を考えればカネの価値はむしろ減っていたことだろう。が、投資に回したおかげで数百万円増やすことができた。あまりリスキーな投資はしたくないので、比較的リスクの少ない投資にしたが、それでもかなり増えた。証券会社の担当者には感謝している。

英語や教育の勉強会をしてきたのだけれど、3月末に九州で「カネについて話してくれ」と久留米大附設の大藪先生から依頼を受けた。「お金をどう増やすかは幸せに生きるのに非常に大事なのに生徒たちに語れない」という理由だそうだけれど、私の失敗譚と成功譚が参考になれば幸いである。

木村達哉

追記
メールマガジン「KIMUTATSU JOURNAL」を火木土の週3通無料配信しています。読みたいという方はこちらからご登録ください。英語勉強法について、成績向上のメソッドについて、いろいろと書いています。家庭や学校、会社での会話や、学校や塾の先生方は授業での余談にお使いください。