出版社 | ラグーナ出版 |
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著者 | 木村達哉 |
書籍説明
初めての絵本を出しました。灘校を退職したら、最初に創ろうと思っていた本です。せっかく入学したのに、学校に通えなくなった生徒たちが、僕が働いている23年間に何十人もいました。地元の中学校に入っていたら神童と呼ばれたかもしれない、自信満々で人生を送れていたかもしれない、そういう教え子たちがたくさんいました。
彼らにはいつももっと気楽に呑気に生きればいいよと言い続けましたが、ほとんどの子たちが、卒業できずに退学していきました。なんにもしてやれなかったなと、自分の無力さを感じてばかりいました。そういう子どもたちへのメッセージが伝えられればと願って創った絵本です。これを創るために、絵を描いたことがなかった僕は3年ほど大阪の専門学校に通って勉強しました。
学校の保健室に置いています、図書室に置いています、あえて廊下に置いていますというご連絡を小学校、中学校、高校からいただくと、著者の想いを感じ取っていただいているのだなと嬉しく思います。
なにより自分の強い思いを「あとがき」に日本語と英語で書かせていただきました。そこも含めて読んでいただければ嬉しく思います。そして、なんだか生きていくのはしんどいなと思っている人たちがおひとりでも救われることを、強く願っています。
木村達哉