興南高校3年生たちに講演をしました。高3になって、ほとんどの生徒たちは大学を目指しているのですが、でもどうして大学に行くのか、大学ってどういう場所なのか等について知らない生徒もかなり多いということなので、社会学的に&教育経済学的に大学に行ったほうがいい理由について話をしました。極めて多くの先生方が体育館の後方でお聞きになっていました。
興南の先生方、若い方が多いですからね。ご自身もなんとなく大学に進まれた方もいらっしゃるでしょうし、今後の指導にも活かしていただければいいなぁと思っています。学年外の先生方もお聞きになっていたようで、積極的な先生方が多いのはいいことだなと感じておりました。
大卒と高卒とでは生涯賃金に大きい差が出ます。大卒男子と高卒女子(専門学校卒を含む)とでは、数千万円にもなるそうです。特に、超難関大学卒と高卒とを比較すると、平均値ではありますが、1億円を超えるというデータもあるようです。高卒のほうが4年早く働き始めるにも関わらず、です。
超難関大学を出ているから有能だというわけではありません。古い友人が東証一部上場企業の管理職をしていますが、東大卒でも使えない奴はいっぱいいるし、中途採用の私大卒でも有能なのはいっぱいいると言います。ただ、採用する段階では誰が有能なのかはわからないので、どうしても大学名という要素は捨てられないことになります。
その点で言えば、大谷選手やイチロー選手のように秀でた才能をスポーツや芸術の分野で発揮できる人はいいのですが、それ以外の大多数の人間は大学に行っておくほうが無難かもしれません。ただ、ではどの大学のどの学部でもいいのかというと、決してそういうわけではないはずです。
自分がどういう生き方をするのか、どういう道に進めばわくわくしながら生きられるのか、どういうことを研究してどういう方々に貢献しようとするのかをじっくり考えることです。その点で言えば、大学を考えることは人生を考えることになります。給料が安くても医師になってやろうとか官僚になってやろうとかする人が出てこないと、国が大変なことになります。
そういう話をしました。生徒たちはかなり真剣に僕を見つめながら聞いていました。彼らのハートに突き刺さる話であったならいいなと思っています。担当の玉城先生にお礼申し上げます。
木村達哉拝