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県庁おもてなし課

出版社 角川書店
著者 有川浩

高知県、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。春になれば春かつおが美味しいよねとか、やっぱり坂本龍馬じゃないかなど、いろいろと思い浮かぶでしょう。小説の舞台となるのは、高知県庁の「おもてなし課」です。「おもてなし課」は、実際に高知県観光振興部に2007年度に設置されましたが、2022年度の機構改革による統廃合で消滅し、業務は地域観光課や国際観光課などに振り分けられ、観光政策課に「おもてなし室」が新設されたとのことです。

この「おもてなし課」の職員である掛水が、人気作家の吉門喬介に観光大使を依頼するところから物語が始まります。高知を観光県として売り出すためにどうするか。元職員の清遠をアドバイザーに迎え、お客様目線で高知に来てもらうために足りないものを、様々な視点から掛水は掘り出していきます。奮闘する掛水ですが、「お役所」と「民間」の感覚のズレを吉門に指摘され、くじけそうになりながらも成長していきます。掛水と民間からアルバイト採用された明神多紀の二人の旅に付き合えば、高知県のプレゼンを見せられているようで、すぐにでも行ってみたくなるでしょう。

どうにか人を呼びたいと考えている自治体職員の方にはぜひ読んでほしい作品です。観光立県を目指すなら、この小説はまさにその教科書のようなもの。あとがきまで楽しめるお勧めの一冊です。