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おとな小学生

出版社 ポプラ文庫
著者 益田ミリ

小学生の頃の自分に会ってみたくないですか。本書の中でミリさんは、小学生の頃の自分と会話をしています。「こどもにもどりたい?」と子どもの自分に尋ねられたミリさん。皆さんなら幼い自分にどう答えますか。ミリさんは「こども、まだのこってるヨ」と返事をしています。あぁ、そうだよなぁ…と思いながら頷き、遠くを見つめました。そう、小学生の頃の自分に会うもなにも、まだあの頃の自分って残っているよなぁと思わずにはいられません。「おとなになってよかった?」には「うん。でも、いきなり大人に生まれてたらつまんなかっただろうね」と。

本書の中では21冊の絵本が紹介されています。それらにまつわるエッセイです。子ども時代の自分が感じたこと、経験したこと、嬉しかったこと、悲しかったこと、どうしてなんだろうって不思議に思ったことなどが回想されていて、それぞれの過去の自分に大人のミリさんが「きっとこうだったんだろうな」と推測しています。

自分がこの本を書くとしたらどの絵本を選んだだろうなぁ。そして小学生の自分にどういう回想をし、どういう回答を用意しただろうなぁ。読み進めながら心がふわっとまるくなるような、それでいてとても酸っぱい気持ちになりました。イラストレーターのミリさんのエッセイですのでイラストが豊富で、漫画を読むようにページが進みます。大人の方に読んでいただきたいなと思って推薦しました。