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緋色の研究

出版社 新潮文庫
著者 コナン・ドイル

コナンという名前を聞くと、今の中学生や高校生は『名探偵コナン』を思い浮かべるのではないでしょうか。僕たちの世代の読書と言えば、シャーロック・ホームズのシリーズ、アルセーヌ・ルパンのシリーズ、そして明智小五郎のシリーズに没頭した経験のある人が多いと思います。何年か前にロンドンに行ったとき、何よりも楽しみにしていたのがBaker Streetにあるはずの、ホームズとワトソン博士が住むアパート(住所はロンドン市ベーカー街221番B)を探し出すことでした。言うまでもなくそこにはアパートなどなかったのですが、いわゆる「シャーロキアン」である僕はBaker Streetという表示を見ただけで、身体中に鳥肌が立つのを感じていました。その近くにあったシャーロック・ホームズの名前を冠したパブで長いこと座ってビールを飲んでいたのを覚えています。

『緋色の研究』は、この本こそホームズシリーズの第一作目で、ホームズとワトソン博士が初めて出会うシーンから始まっているのです。ホームズはワトソン博士を紹介されるや、「はじめまして。あなたはアフガニスタンに行ってきましたね?」と言って博士を驚かせます。殺人事件が起こり、現場を見た彼は「犯人は背が高くて赤ら顔の男です。」と断言します。作品によってはホームズが失敗するシーンもあるのですが、しかし概ねその推理は慧眼をもって鳴るベテラン刑事でさえも脱帽するものです。

わくわくしながら、そして知的な探偵の世界を楽しみながら読めますので、特に読書の習慣がまだ身に付いていなくて何から読んだらいいかなという人はどうぞ手にとってください。もちろん、小学生の頃に没頭した世界の読み直しもいいのではないでしょうか。なお、読後は『四つの署名』、『パスカヴィル家の犬』、『恐怖の谷』がお勧めです。どうぞシャーロック・ホームズの世界を楽しんでください。