出版社 | 創元社 |
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発売日 | 2016年1月26日 |
著者 | デール・カーネギー |
世界中で読まれている名著中の名著です。人間というのは極めて自分勝手な生物で、自分の思うとおりにならないとイライラします。「あの人は変わっている」という一言も、自分は比較的普通なのに違いないという誤解から生じる発言であり、社会的生物にもかかわらず何かにつけて非社会的生物ぶりを発揮しては他者と衝突し続けているのが、私たち人間という生物ではないでしょうか。
しかし、他者をリスペクトしなければ、スムーズに生きていくことなんて絶対にできないのです。それは社会的高みに到達すれば(つまり他者から滅多打ちにされるという経験を反復的に経れば)よくわかるのです。ところが、頭では理解(understand)できたとしても、なかなか自分化(realize)するのは難しいものです。たとえば、意見が異なる人に対して、ついつい声を荒げてしまうとかネット上でやっつけてやろうとかいうのは、要するにその人へのリスペクトが足りないのです。自分のほうが凄いと勘違いしているのです。社会的に成功している人ほど、絶対にそういうことはしません。
相当傲慢であった私が、「自分の夢をかなえるために、思うとおりに自分の人生を生きる」という部分と、「社会の人々の幸せを考えながら、自分の人生を生きる」という部分とのバランスをどのように取ればいいのかわからずに悩んでいた時期に、カーネギーの著作に出会って目が覚めたのが20年ほど前です。それ以来、悩んだときには何度も表紙を開いてきました。どうも自分の人生がうまくいかないなと思われる方には、是非とも手に取っていただきたい一冊です。心から推薦します。