出版社 | 集英社文庫 |
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発売日 | 2002年6月20日 |
著者 | 浅田次郎 |
なんでこんなすごい物語が書けるんだろう。初めてこの本を書店さんで選んだとき、なにせ5巻から成る連作ですからね、かなり読み応えのある歴史小説なんじゃないかと、表紙画像を見て思いました。が、ものの見事に裏切られることになります。読み応えがあるというより、非常にわくわくしながらページを繰ることができます。ほとんど本を読んだことがない人であっても、5巻を完食することができるはずです。
読みながら、この既視感はなんだろうと考えていたのですが、そうかわかった!『ルパン三世』です。浅田先生がルパンや峰不二子を意識していたかどうかはわかりません。しかし、ルパンたちが財宝を盗み出すのをわくわくしながら見ていたのと同じ気持ちで、本書に登場する盗人たちを楽しみました。
プロットもさることながら、浅田次郎先生の日本語表現能力の高さには舌を巻きます。中学生や高校生であまり本を読まないという人であっても、このシリーズを楽しんで読むことができます。加えて、日本語の表現を勉強することもできます。『プリズンホテル』と並ぶエンタメ小説ですが、自信をもってお勧めします。