出版社 | かもがわ出版 |
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著者 | 渡辺考 |
沖縄に移り住んで2年半の著者が沖縄の歴史と文化を、戦争と人々の暮らしを、人生を賭けて学ぼうとした記録をエッセイという形で紹介してあります。水上店舗は水上にあるわけではないのになぜ水上なのか、赤犬子(アカインコ)とは、壺屋と読谷の二つのやちむんの繋がりとは…
好奇心旺盛な著者だからこそ書けるエッセイだと感じました。そして、ここまでやらないと、もしかしたらここまでやっても、琉球と沖縄の歴史を紐解くことは難しいのかもしれないというのが読後感として残りました。それにしても私は沖縄の文化について、戦争について、何もわかっていないんだなという無知の知に完膚なきまで打ちのめされました。
『ディープ・オキナワ』というタイトルのとおり、沖縄の実に深いところを垣間見させてくれる良作であり、労作です。この本を読んだだけでは全てを理解できるわけではないにしても、読んだ後には沖縄への認識が変化していることでしょう。全ての沖縄好きにお勧めしたい一冊です。